私たち両名は平成20年7月28日に田中重博人文学部長をハラスメント行為を事由として水戸地裁に提訴しました。それから3年数ヶ月経った平成23年11月4日に「訴訟上の和解」が成立しました。その骨子は、@田中学部長は両名が訴えた30項目にわたる言動の一部について不適切、不穏当な言動があったことを認め、遺憾の意を表明する、A本訴訟が法律上の「不当訴訟」ではないことを双方が確認する、B原告は本件に関する請求権を放棄する、との三点です(資料7−4)。
上記Aについてはこのような当たり前のことがわざわざ和解条項に盛り込まれていることに奇異な感じをもたれるかもしれません。しかしこれこそ本訴訟における被告反論のレベルの低さ、あるいは被告の性格そのものを反映したものなのです。まずこの点の説明から始めます。
私たちが地裁に提訴し、記者発表を行った直後に、田中学部長はマスコミおよび大学内に自らの主張を掲載した文書(資料7−5−1,7−5−2)を配布しました。提訴されたことに逆上し、激烈な調子で私たちを非難しています。すべて「でっち上げ」「私怨に基づく逆恨み」「大学人としてあるまじき行為」「巧妙かつ狡猾な○」「事実無根」「濡れ衣」「自分は無実」といった調子です。そして私たちの提訴を「不当訴訟」と決めつけて、「法的措置を考えている」とまで述べています。しかもこうした非難を田中学部長は訴状を手にする前に、つまり訴状を読まないままに公にしているのです。そのことも同文書に述べられています。そして「すべては事実無根だ」と断言しているのです。この文書からも田中学部長がどのような人物かがお分かりになるかと思います。なお当然ですが田中学部長による法的措置(反訴)はとられませんでした。和解条項1にあるように、すべては田中学部長の側に一方的に非があるからです。
こうした逆上が一時的なものであれば問題はないのですが、しかし田中学部長はその後の裁判過程において一貫して「でっち上げ」「ねつ造」「不当訴訟」と主張し続けたのです。私たちは十分な証拠をそろえたうえで裁判に臨んでいます。田中学部長から罵詈雑言を浴びせかけられている場面も途中から録音しました。私たちの主張する事実関係は揺るぎません。それにもかかわらず田中学部長は当初の主張を変えようとはしませんでした。そして田中学部長は和解協議の場においても、「不当訴訟」を行った原告両名はそのことについて被告に謝罪せよと要求してきたのです。これには本当に驚きました。一方では自らの言動の一部に不適切、不穏当なものがあったと認めておきながら、他方では田中学部長のその言動を問題視して提訴した我々に対して、提訴したことを謝罪せよと要求してきたのです。常軌を逸しています。田中学部長の頭の中はどうなっているのでしょうか。常人では理解できません。さすがの裁判官も本訴訟が法的に不当訴訟ではないことを田中学部長に説明せざるを得なくなりました。田中学部長は学部内で「不当訴訟に抗議する」として田中支持派の教員を組織し、私たち両名を集団で指弾する運動を展開していましたから、そのことも考慮して和解調書の第二項に「本訴訟は法的に不当訴訟ではない」という至極当たり前の条項を挿入してもらったのです。
十分な証拠により私たちの主張する事実関係が立証されているにもかかわらず、「でっちあげだ」「不当訴訟だ」「無実だ」とあくまでも私たちを罵倒し続ける−−−私たちの訴訟相手はこのような人物でした。そしてそのような人物から私たちは長年にわたりハラスメントを受け続けたのです。以下においてその実態を見ていくことにします。