茨城大学学長による名誉毀損等についての裁判(対大学第2訴訟)

1.概要
 茨城大学の池田幸雄学長は2通の学長文書を公示しました。
(1) 最初の学長文書は2009年6月26日に公示された「2教授が茨城大学を訴えた訴訟問題に関する『学長所見』」です。
  これはタイトルから分かるように、私たちが2009年6月18日に茨城大学を水戸地裁に提訴したことに対して[大学の立
  場」を説明するため全学の教職員に公示されたものです。
  私たちが茨城大学を提訴した理由は、田中人文学部長によるハラスメントの事案処理について大学側の手続きに不公
  正、不適切なものがあったからですが、大学側はそれを認めようとせず、逆に私たちに対して「一方的な考えで裁判に
  訴えるということは、大学に籍を置く者として、恥ずべき行為といわざるを得ません。」と激しく非難してきました。
  私たちは、この文言と他の2つの文言が名誉毀損に当たると主張しました。

(2) 2通目の学長文書は2000年10月26日に全学の教職員に公示された「大学における公式会議での私的録音記録
  の利用について」です。これは、同年9月に行われた対田中学部長裁判の証人尋問において、田中学部長のハラスメ
  ト言動を録音した記録を私たちが利用したことに対して、「『大学の私的録音禁止決定』に反し、大学人のモラルと良識
  に反します。」と非難し、そのような「私的録音記録の利用を直ちに停止するよう警告を発し」たものです。
  私たちはこの文言と他の文言とが名誉毀損に当たると主張しました。

(3) さらに池田学長はこの2通目の学長文を、役員会、教育研究評議会で審議・承認させ、全学的な合意を取り付けた
  体裁をとっていますが、驚くべきことにそれを審議した役員会、教育研究評議会には田中裁判の一方の当事者=被告
  である田中副学長(元人文学部長)が陪席しあるいは正式メンバーとして列席していたのです。私たちからは何の事情
  聴取も行われませんでした。
   このように公平、中立性を欠いた学長の言動は大学の教職員に多くの同調者を生みだし、私たちは職場において
  孤立状態に置かれるようになりました。私たちはこのことを学長権の濫用によるハラスメントであると主張しました。




2.水戸地裁判決
   判決日 平成26年4月11日 判決言い渡し
   判決内容 @被告大学の2通の学長文書は原告らの社会的評価を低下させ、名誉毀損の不法行為が成立する。     
           被告は原告各1名につき100万円を支払え。
          A2通の学長文書を学内の電子掲示板から削除せよ。
          B謝罪文の掲載請求は棄却する。
          Cハラスメントについての請求は棄却する。

   判決文 こちら

3.地裁判決についての新聞記事



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